京都マラソン開催でごったがえす市中。気温もぐんぐん上がり、17.8℃!
春です!駅前句会も、なんと19名も参加!
熱気むんむん!席題は「修」
高得点句は!
跡残る修正液と春の恋 佐々木 けい子 席題
文句なしの最高点句。最近の修正テープではなく、修正液としたところが泣かせます。確かに消したはずなのに、何だかゴワゴワして少し後味が悪いですよね。それが「春の恋」だと作者は解きました。みごとな取り合わせです。夏の恋でも冬の恋でもなく、春の恋。淡くはかなく、それでいて、どこか明るい感じがします。理屈がつきすぎているのでは?との意見もありましたが、進境著しい作者の特徴がよく表れていると思います。
帰された地獄の門番新人で 松代 享子 探題:新人
新人は門番の新人なのか、地獄へ行ったのが新人なのか?前者だと鬼の若造ですし、後者だと『じごくのそうべえ』よろしく、息を吹き返したのかも知れません。季語がないのですが、この時期の新人が「新入生」のように感じてもらえるかどうか。地獄のリアリティ?があるかどうか。
うららかや辞書は大修館が好き 佐藤 香珠 席題
席題の「修」で「大修館」と来ましたか!もちろん大修館書店のこと。「大漢和辞典」や「明鏡国語辞典」等が有名ですよね。専門性の高い辞書を出版しているイメージです。それを「好き」とさらりと言っています。昭和の真面目な、勉強好きな学生が目に浮かびます。季語「うららか」が効いていますね。
飲みすぎの顔ひっぱたく春一番 宮田 和典 探題:春一番
これも俳句ならではの楚辞です。季語「春一番」の前で切れている。飲みすぎて泥酔している連れの顔をひっぱたく作者。そこに春一番が吹いてと読むのでしょうけど、まるで春一番が頬をひっぱたたいているかのようです。「ひっぱたく」が微妙な感じです。殴る、たたく、打つ そのどれとも違います。そこに愛があるかどうか?風とひっぱたくは付き過ぎとの声も。
おかっぱに雛菊とめて土遊び 水野 洋子 探題:土
景が良く見えます。今はこのような幼子はいないでしょうね。筆者は源氏物語の犬君を思いました。土がずいぶん遠くなりました。この句はある種のユートピアかも知れません。
土筆摘む去年無くしたボールペン 岡野 直樹 探題:ボールペン
土筆摘みに持ってくるくらいだから、このボールペン、そんなに高いものじゃありませんよね。春になって一年ぶりの土筆摘みに来て、「ああ、そういえば、去年ここでボールペン無くしたな」と思い出しているのか、または、偶然見つけたボールペンに、「あっ、そういえば、これ去年なくしたやつや!」と突然、記憶がよみがえったのかも。それにつられて、今年は一緒ではない、ある人のことを、しみじみと思い出しているのかも。