”暑さ寒さも彼岸まで”とは本当によくぞ仰いました!ようやく猛暑日とおさらばです。空には秋の雲です。待ちゆくファッションも一気に変わりました。
植田さんの帽子も秋めきました。
席題:案山子 探題:2題
さて、高得点句は!
土曜日の窓に合図の青蜜柑
徳永 はも子 探題:土
「土」のお題で秀句をものにしました。
「土曜日の窓」という楚辞がいいですね。もちろん、窓に曜日などあるはずがありません。 俳句ならではです。何気ない「窓」が、なんだかちょっと希望に満ちています。
そこに青蜜柑が置かれています。何の合図でしょうか?!きっと青蜜柑のような甘酸っぱい恋人同士なのかしら。もちろん、ケータイなどなかった時代。
そういえば、女の子の家に電話をかけるのって、ものすごく緊張しました。お父さんが出て、太い声で「どちら様ですか、、、」こんな経験って、今から思えば貴重ですよね。
幸せの黄色いハンカチのよう、との意見もありました。
だがしかし案山子はけんけんの名手
髙木 泰夫 席題
「だがしかし」が俳句に使われているのを初めて見ました。まるでガレリオのよう。強い断定です。その強さで言い放ったが「けんけんの名手」という事。なんだか可笑しいですね。
筆者はジブリ映画「ハウルの動く城」の案山子を思い出しました。それから「春の風ルンルンけんけんあんぽんたん」(坪内稔典)も。
「da ga shi ka shi」の音が「ka ka shi」と連なり、さらに見た目も「案山子」の「子」がけんけんと結びつくとの気付きもありました。
弟の目をしていつも案山子立つ
おおさわほてる 席題
案山子にはどこか、もの悲しさがあります。その案山子の顔が、そして目が弟に似ていると言うのです。きっと、この弟さんはもう、いらっしゃらないのでしょうね。案山子を見るたび思い出す弟。田んぼで駆け回った思い出があるのでしょう。
「いつも」だと、ある特定の案山子にならないから、景が絞り切れない、と言う意見と、「いつも」があることによって、どの案山子を見ても、弟を思い出してしまう、そういう哀しみが伝わるという意見に分かれました。